初・中期一発処理除草剤 エンペラー®(左:豆つぶ®250、右:1キロ粒剤)
お米を安定的に生産するためには、雑草防除が非常に重要です。当社はこれまで、作物・環境・生物には影響が少なく、効果的に雑草を防除する除草剤を数多く生み出してきました。中でも、水稲用除草剤の分類の1つである「初・中期一発処理除草剤」は、効果の持続期間が長く、農薬散布の省力化につながることから、生産者からの支持が高い製品です。当社では自社開発した原体(有効成分)を含む効果の高い製品を複数販売しています。
アクシーブ®のロゴマーク
散布風景
アクシーブ®は当社が開発した環境負荷の少ないイノベーティブな畑作用除草剤で、当社グループの成長をけん引する主力製品です。世界25ヵ国(2025年4月現在)で農薬登録しており、ダイズ、トウモロコシ、コムギ、サトウキビなどの栽培において、防除が難しく、昨今、深刻な問題となっている除草剤抵抗性雑草に対し、低薬量で長期間効果を発揮する切り札と認知されています。そのため、世界各国で数多くの製品の有効成分として使用されており、農業現場を支え、世界の食料生産に貢献しています。
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豆つぶ®剤
豆つぶ®剤は、当社が独自に開発した水稲用の水面施用剤です。通常の粒剤は粒の大きさが0.8~1.2mm程度であり、水田に施用すると水の底に沈み、沈んだ粒剤から徐々に有効成分が溶け出す製剤であるのに対し、豆つぶ®剤は、粒の大きさが3~8mmと大きく、水田にまくと水面に浮かびながら短時間で拡散・崩壊して有効成分を水田全体に行き渡らせます。従来の水稲用除草剤(粒剤)は10aあたりに必要な量が1kg~3kgでしたが、当社が開発した豆つぶ®剤は10aあたりの必要量が250gと非常に少なく、散布する農薬の重さが約10分の1となっています。そのため、散布の時間や労力が大幅に削減できるだけでなく、農薬の物流などにおいて使用されるエネルギーや温室効果ガス(GHG)排出量の削減にもつながっています。
微生物農薬 エコホープ®DJ
微生物農薬とは、自然界に存在する細菌や糸状菌などから利用可能なものを見つけ出し、独自の培養技術や製剤技術を駆使して、農薬としての機能を磨き上げたものです。当社は2003年に初の微生物農薬として水稲種子消毒剤エコホープ®の販売を開始しました。その後、常温保存可能で適用病害の拡大と効果安定性の向上を実現したエコホープ® DJ、果実に対する汚れが極めて少なく、保存性に優れた園芸用殺菌剤エコショット®を製品化しました。
昨今、注目されている化学農薬・化学肥料の使用量を50%以下に減らした特別栽培や環境に配慮したIPM(総合的病害虫・雑草管理)において、当社のクミカエコシリーズ®は有効成分数にカウントされない、有機農産物の日本農林規格(JAS)に適合した薬剤であるため、特別栽培やIPMを実践する農家から支持されています。
当社グループでは、農薬事業で培った高い有機合成技術を応用して化成品事業を行っています。化成品事業は、塩素化事業、精密化学品事業、発泡スチロール事業、産業用薬品事業の4つの小セグメントから構成されており、生活基盤を支えるさまざまな分野で幅広い事業を展開しています。安全で豊かな生活のためのインフラや先進技術などに活用される化成品の開発・供給を通じて、SDGsや循環型社会の実現に貢献しています。
特に重要視しているのが、半導体をはじめとする電子材料分野への事業展開です。急速にデジタル技術が進歩している現在、デジタル社会を支える半導体は間違いなくこの世界になくてはならないものであり、今後も爆発的な需要の増加が見込まれています。新たな市場やニーズを見極め、独自の技術を活かした高品質な製品やサービスを提供することで、事業拡大を図ります。
電子基板の素材
光ファイバーの素材
発泡スチロール