「こんなところにもキトー!」 社会を支える、縁の「上」の力持ちです。
キトーは1932年の創業以来80年以上にわたって、モノを「持ち上げ、運び、固定する」というニーズに特化してものづくりを行ってきた、マテリアルハンドリング機器メーカーです。1903年のライト兄弟による世界初の有人飛行など、人間は歴史の局面において「重力からの解放」を求めてきました。モノを重力から解き放つことで生まれる、さまざまな価値と創造の実現に寄与し、さらには社会全体をより便利にしていくこと、それを可能にしているのがキトーの製品です。
キトーの製品の原理は、いたってシンプル。滑車の原理を利用し、複数の歯車を組み合わせることで、小さな力で驚くほど重いものを持ち上げることができます。そのシンプルな原理と、80年以上の長い歴史の中で培われた経験とノウハウをもとに、千差万別なニーズに多彩に応用し、「重いモノを持ち上げたい、目的の所まで運びたい、しっかりと固定したい」という社会のベーシックな欲求に、最適なソリューションを提供し続けています。
キトーの作る製品は、あまり目立つものではありません。しかし、建築現場や工業製品の生産拠点、発電所、エンターテインメント施設、果樹園、漁港など、多種多様な現場で活躍しています。まさに、縁の「上」の力持ちとして、今この瞬間にも世界中でさまざまなモノを「持ち上げ、運び、固定」しています。実際の導入事例は、「サービス・製品情報」ページや弊社ホームページをぜひご覧ください。「こんなところにもキトー!」と思わず声に出してしまうような、わくわくする発見があるはずです。
「発展のためには、たえずイノベーションへの努力がなければならない」
キトーの創業は1932年11月8日。東京都大田区大森の小さな町工場「鬼頭製作所」からスタートしました。重いモノを持ち上げ運ぶ、あるいは固定するといった作業は、企業の活動にとどまらず、広く人間の生活や営みに欠かせません。重力がある限り、重量物の取り扱いに伴う危険や負担は決してなくなるものではなく、安全に楽に作業したいという欲求が必ず伴います。キトーは創業以来、重力に逆らう作業に正面から向き合い、「製品の小型軽量化、安全性と耐久性の向上」というテーマに、変わらず取り組んでいます。重量物を取り扱うありとあらゆる現場において、「安全に」「楽に」かつ「効率的に」作業が行えるよう、キトーは設計、開発、部品の製造から最終製品の組み立てまで、自社ですべての工程を一貫して手掛けています。
主力製品「レバーブロック」誕生のきっかけは、終戦後の食糧不足が深刻な問題となっていた1945年の秋のこと。創業者の鬼頭美代志は当時住んでいた社宅の庭を開墾し、畑にしようと考えていました。庭に植わっていた木を取り除くために、美代志は息子で後に2代目社長となる亮一郎と共に、木の根を引き抜く作業に精を出していました。その時に使っていた引き抜き牽引機は、チェーン部分が非常に使いにくく、それを見ていた亮一郎が、「会社のリンクチェーンを使ってみたらどうだろう」と提案。この一言がきっかけとなり、2年後の1947年にキトーは日本初となる万能牽引機「レバーブロック」の開発に成功しました。常に「ユーザー」の視点に立ち、最適なソリューションを提供する「キトーのものづくり」のDNAは、創業以来変わらず私たちひとり一人に受け継がれています。
キトーの品質を、世界へ、そして未来へ
80年以上の歴史の中で育まれたキトーのDNAを語るうえで、重要なのが「品質へのこだわり」。キトーの企業理念の中の一節である、「キトーは品質の高い製品・サービスをお客様に提供することを経営の最重要課題とする」という言葉からもにじみ出る、あくなき品質向上への情熱が、キトーのDNAの中核にあります。キトー製品は過酷で危険と隣り合わせの現場で使用されることも多く、万が一製品が壊れてモノが落下すれば、作業員の命にも関わりかねません。その意識が社員に深く根付いているからこそ、何よりも品質にこだわり、まじめにものづくりに取り組む。それこそが、長い歴史の中で脈々と受け継がれてきた「キトーのものづくり」なのです。
そして、その品質へのこだわりが、勢いを増すキトーのグローバル進出を後押ししています。キトーは1990年の米国子会社設立を皮切りに、グローバル展開をスタートさせ、M&Aを行いながら全世界へとビジネスフィールドを広げています。現在は北米、アジア、ヨーロッパ、南米など世界各国に17社のグループ事業会社を擁し、50以上の国で販売ネットワークを有しています。マーケットシェアは日本で約60%、米国で40%へと拡大し、両市場でトップブランドの地位を獲得しています。中国においても、品質を深く追求することで価格競争を回避し、競合の追随をも退けながら、25%のトップシェアを獲得しています。いまや海外売上比率は約75%に達し、世界中で多種多様な付加価値を生み出しています。
「誰もが働きやすい、住みやすい社会を目指して」 キトーの社会貢献活動
モノを「持ち上げ、運び、固定する」という、地球上に重力がある限り絶えることのないニーズに応えることで、社会の発展に貢献しているキトー。足元でも、社会の一員としての企業の責任を忘れることなく、地域社会・国際社会におけるさまざまな社会貢献活動に取り組んでいます。ここでは、その一例として、誰もが働きやすい、住みやすい「共生社会」づくりにおける、キトーの社会貢献活動をご紹介します。
キトーは雇用機会の提供が地域社会への貢献であると考え、とりわけ障がい者雇用に力を入れています。キトーの障がい者雇用の特長は、誰もが一緒に働ける環境を構築すること。そのために、さまざまな工夫をしています。例えば、複数の職場で実習をすることで、作業内容だけではなく、職場の雰囲気などを感じてもらいながら、個人の適性と仕事のマッチングを図っています。また、職場内でできそうな仕事を探して任せるのではなく、みんなで知恵を出し合いながら、作業の改善や、一目で視覚的にわかる手順書を掲示するなど、障がい者と共にごく自然に働ける環境を作っています。結果として、定着率も高くなり、障がい者雇用も拡大しています。山梨にある本社工場のバリアフリー化を進め、歩行帯整備、段差解消、自動ドア・トイレの設置、障がい者専用駐車場など、快適で働きやすい環境整備も行っています。
また「日本障害者スキー連盟」とゴールドパートナー契約を結び、競技者を支援しています。その他にもさまざまな社会貢献活動に取り組んでおりますので、ぜひ弊社ホームページでその様子をご覧ください。